●第123回全国大会参加(旅日記)

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全国吟道大会に参加して(旅日記
                      師範 妹尾節岳

平成二十四年十月十四日(日)第百二十三回 全国吟道大会が、北海道「さっぽろ芸術文化の館ニトリ文化ホール」にて開催された。


この大会に先駆けてさる六月三日(日)「神戸文化ホール」で開催された近畿地区吟詠大会に於いて、合吟の部で優勝を果たし近畿地区代表として、兵庫東播岳風会のチームと共に、全国吟道大会出場の夢が実現した。

十月十三日(土)正午、ポートライナー三宮駅に集合した。

ご指導頂いた奥 岳昌先生と、私達十名の旅の始まりである。会長 立脇岳堯先生・副会長 辛嶋岳杲先生は、体調を崩され残念ながら欠席された。以後辛嶋先生の代理同行の辛嶋晶子様に、全てお世話になる事に・・。

神戸空港を二時過ぎに発ち、新千歳空港には四時半に着いた。JR千歳線に乗り継ぎ、札幌駅に着いた頃は日が傾き澄んだ空気と、逸る夕暮れの速さに北の国を感じた。慣れぬ荷物を引き、肩にバックと、手も、肩も、首までも固くなった。市内のホテルに着き荷物から開放され、広く長い路を過ぎ、ネオンが眩い街中のビルの一室、古風な店で夕食をとり、神戸を出て始めて一同が顔を合わせた思いで、漸く寛ぎの笑顔を交し一層の絆を深めた。明日の事を思い早くホテルに戻ったが、いつもの悪癖、床と枕の違いから眠れぬ夜を明かした。


十月十四日(日)
   雨の心配もなく爽やかな日、この地の朝は五時に明けた。ホテルを通り抜け、大通りに出ると本日の会場である。別室で声だしを二度ばかりして、お互いの呼吸を感じ最終確認の上、高まる胸を静めつつ、一般合吟〜独吟へと・・時が流れ、いよいよ「競吟決選に入る。それぞれの地区代表十八チームの中、私達の出番は七番目である。吟題は「塞上聞吹笛 高適」リーダー齊藤友岳先生柱に精一杯吟じた。しかし後に続くチームの正確な二句三息、特に接続の巧さと、一糸乱れぬ声と張りに全国!を印象付けられた。結果、私達は、入賞外に終った。一位入賞 北海道地区 オホーツク岳風会の皆様に心より大拍手で称えた。各地区代表独吟では、近畿地区より奥 岳昌先生が吟じられた。静かな会場に響く先生の吟声に感動し、詩吟の魅力を改めて感じた至福の時だった。「構成吟」では「翔け!北海道・北の四季を謳う」と題して、春・夏・秋・冬と季節が廻り、漢詩と和歌、短歌を交えて、繰り広げられた中でも、この地にゆかりの深い石川啄木の詩が多く取り入れられ、素晴らしいナレーションにすっかり魅了され、郷愁に慕った。春、夏と季節が移り、秋の編では、(手話吟)「ふるさとの山」ふるさとの山に向かいて・・・八名が、手話を交えて合吟された。やさしい手振りが、印象に残り初めての「手話吟」だった。

冬の編では最後の大合吟で
     見る限り ましろきままの 雪野原
                  視界なきまで 地吹雪のたつ

やがて来る厳しい冬に向かい、北海道一色の構成吟が幕を下ろした。全て終了し今夜の宿へと、バスに乗り込む。すっかり日が落ち車窓から景色を眺める事もなく、四十分ばかりで、札幌奥座敷「定山峡温泉」に到着した。長い一日を終え、好成績は得られなかったが、「よくここまで頑張ったね」と、奥 先生に労って頂き一同、心機一転 楽しい夕食会となった。温泉を楽しんだ後、荷物の整理、帰り支度に夜更けまでかかった。


十月十五日(月)
いよいよ帰途へ・・数時間の観光は小樽散策となり、定山峡よりバスは朝里峠を下り、小樽へと向う。静かな山間を走り抜ける車窓に、雨かと思うほど夜露に、朝日が照らし白樺の木々が立ち並ぶ中、真っ赤に紅葉した「つた」「ナナカマド」に混じり緑を残す木々が映える!北国の大地の美しさを魅了した。今、北海道にいる事に万歳!

十一時前に小樽に着いた。港湾として嘗て栄えた運河通りを抜け、当時の倉庫を偲ぶガラス館など散策した。その後、昼食は好物別グループ分かれ。三日間、寝食共にした井本さんと初めて離れた。(井本さん=海鮮 私=うどん)穏やかな陽射しの中、小樽の町は観光客のみ往き交い観光地そのものである。合流後、一行は、歩く毎に増える買い物袋にも、興味津々 何、買ったの・・。


こうして賑やかで、楽しい小樽滞在の数時間を過ごし、すっかり観光気分を味わった。バスは、再び千歳空港へと、夜空を飛び立ち神戸空港近くより見下ろす山と陸、海の夜景の美しさに感動し、無事、帰宅したのは十時を過ぎていた。


この経験を、与えて頂きました事に感謝し、また、私達の大会出場にあたり、本部先生方始め、会員皆様方の心強い御支援を、頂きましたこと誠に有難うございました。(井本、妹尾)