奥伝審査資格者研修講座・昇段審査資格者講習会

平成28年度
 奥伝審査資格者研修講座・昇段審査資格者講習会ルポ
  メダルラッシュに沸いたリオデジャネイロ五輪の閉会式を翌日に控えた8月21日、平成28年度の奥伝(風号審査資格者)研修講座および昇段審査資格者(現六、七段)講習会が神戸木材会館に於いて行われた。各々の受講者は本研修講座・講習会の受講修了をもって、平成29年度春・秋の資格審査会での受審が可能となる。
 奥伝研修講座は午前、昇段審査資格者講習会は午後に行われ、それぞれ17名・22名の受講生が出席した。研修に先立ち岩野岳照会長よりご挨拶を頂き、受講生に対し一般会員の中でも高段者として、自らの吟道の研鑽と合わせて兵庫中央岳風会の発展についての強い自覚を期待する旨のお話があった。
    
                      講師の先生方
○奥伝研修講座
・第一講義は副会長渡辺岳蒔先生による「吟詠の呼吸法と発音・発声」「五言詩の吟じ方・実技指導」。腹式呼吸や正確な発音・発声の為の口の形や吟詠中の息つぎ等の指導があり、2リットルの空ペットボトルを使っての腹式呼吸の実践には受講生も驚嘆しました。続いて五言詩の実技に移り、教本から高啓の「胡隠君を尋ぬ」を取上げて、素読・吟詠の指導を頂いた。
・第二講義は副会長小野岳礼先生を講師として「俳諧歌・和歌略史」「俳諧歌の吟じ方・和歌の朗詠・実技指導」をテーマに行われた。俳諧歌の成立や和歌の略史解説の後、奥伝課題詩は俳諧歌・和歌をセットとしていることから、俳諧歌と和歌の吟じ方の相違を重点に、一茶「老の身は」、冷泉為相「嘉元百首歌に、山家を」を題材として、受講者合吟による吟詠指導を頂いた。
・第三講義は会長岩野岳照先生による「漢詩の基礎知識」。
漢詩の起源から古詩・近体詩への歴史的な展開、古詩・樂府・近体詩の種類や絶句・律詩や五言・七言等の形式とともに、押韻・平仄についても丁寧に解説された。また呼吸法・発音・発声等についても改めて指導があった。
 研修講座終了後、出席受講生17名に対し岩野会長より修了証書が授与された。
    
                             講義風景
○昇段審査資格者講習会
・第一講義は副会長吉田岳頌先生を講師として「俳句略史」の解説。
室町時代の連歌を源流とする言語遊戯としての俳諧の発生から、松尾芭蕉により芸術性が高められ、その後一茶・蕪村などを経て、明治時代に正岡子規による近代俳句の確立となった俳諧・俳句の略史を解説頂いた。また、予定にはなかったが、子規の「柿くえば」の実技指導も行われた。
・第二講義は渡辺岳蒔副会長を講師に「吟詠の呼吸法と発音・発声」「六段課題詩の実技指導」がテーマ。呼吸法、発音・発声の解説や指導があり、ここでもペットボトルが登場しました。また参照すべきテキストとして「吟道奥義集」の積極的活用を勧奨された。引き続き、六段課題詩のうち浦野溪石作「神戸八景」を題材に全員合吟による実技指導が行われた。
・第三講義は岩野岳照会長による「吟詠の心得」「七段課題詩の実技指導」。崇高な精神の育成と人格の完成を目指す岳風会の吟詠と朗吟の心得について解説。素読・朗読の大切さの他、吟じる際の姿勢にもその指導は及びました。ついで、七段課題詩の中から芭蕉の「野ざらし紀行より旅立ち」について実技指導を頂いた。
 講習会終了後、受講生22名に修了証書が授与された。
 実技指導では、吟題発声の段階からダメ出し連発の、いつもながらの講師諸先生の熱血指導振りが印象的でしたが、最後に副理事長松井岳濤先生の閉会の辞により研修講座・講習会はとどこおりなく全日程を終了しました。

                                                  (広報部)