平成27年度地区吟道講座(近畿地区)

       平成27年度地区吟道講座(近畿地区)
                                          平成27年12月6日

 慌ただし街は師走を迎えども吟極むるに時を選ばず・・・12月6日(日)、平成27年度「近畿地区吟道講座」が公益社団法人日本詩吟学院総本部主催により大阪国際交流センターにおいて開催された。参加者は近畿地区認可各団体より908名。

 第一講は絶句。講師は大阪岳風会副会長須藤岳妙先生。
題材は、「恵崇の春江暁景」蘇軾
 これは題画詩であって実景ではなく、恵崇の描いた画をもとに蘇軾が書いた詩でこれについての説明と、「春夜:春宵一刻値千金・・・」等の詩で有名な蘇軾の紹介を挟み、素読と先生の模範吟に引き続き合吟にて研修。
 「鴨(かも)」、「河豚(かとん)」のアクセントについて指導があり、アクセントは言葉の意味を伝えるために大事である。また2句3息は基本だが上手な隠し息も必要で、このためには吸うときは鼻から。これなら音がしない。
 3列に分かれて、また男子、女子に分かれて繰り返し指導を頂き、講義を終了した。

 第二講は和歌。講師は兵庫岳風会吉岡岳眞先生。
題材は「斎院に侍りける時、神館にて」式子内親王
 後白河法皇の皇女であり、新古今集を代表する女流歌人である作者の紹介。百人一首にある「玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする」が良く知られている。
 序詠と本詠の間は2拍、「仮寝の野べの」の間の「の」は伸ばさない。また2句目と4句目の7文字は最初4文字と後の3文字部分でリズムを変える。等々の指導を頂いた。

 第三講は絶句。講師は新神戸岳風会副会長大木岳扇先生。
題材は「冬夜読書」山田方谷
 作者山田方谷についての詳細な説明があり、続いて素読へ。言葉に命を吹き込む。しっかりとための間を取り、歯切れよく、口の開閉をしっかり。これらに注意し改めて素読。
 吟詠において、熟語の途中は伸ばさない。「たいへき」、「さんじゃく」、「いちりん」、「てんちの」、等。「雪(ゆき)」は雪らしく、「月(つき)」は月らしい表現を。「堅く凝る」は続けて。「鍾まりて」は引き締めて、但し「あつ」を早く、「まりて」を」少しゆっくり。最後の「在り」のあと2秒程度残心を。

 第四講は長歌。講師は日本詩吟学院理事田邉岳璋先生。
題材は「軽皇子、安騎の野に宿る時に、柿本朝臣人麻呂の作る歌」柿本朝臣人麻呂
 なじみが薄い長歌を体感して頂きたい。漢詩は漢語だが、和歌は大和言葉で響きが違う。素読は漢詩同様重要、五七調の流れをつかんで欲しい。題詞について、枕詞の多さ、字余り、字足らず、長歌に必ず付く反歌(形式は短歌)、課題詩の歌意、等についての説明があり、先生の模範吟に続いて吟の指導を頂いた。長歌から短歌に移るところは3拍位あけること。

 第五講は律詩。講師は日本詩吟学院常務理事大山岳莊先生。
題材は「児島高徳桜樹に書するの図に題す」斎藤監物
 吟道奥義抄の吟詠修得の心得の紹介より始まり、課題詩と作者および時代背景の説明があり、文部省唱歌「児島高徳」が先生の歌唱で紹介された。
 高音で始まる「出郷作:決然國を去って・・・」等と同じく最初が大事。「単蓑直に入る」はスピーディーに。この詩は強吟だが、強い吟の中にも抑えるところがありメリハリが必要。これは詩情表現の手段である。「数行の」の「の」のゆりはあまり長く引っ張らずに、「両行の」も切らずにつないで。
 吟詠指導の後、十字の詩についての説明があり、祖宗範木村岳風先生と「気魄雄渾」に言及されて講義は終了となった。

 全講義終了後、主催者挨拶、修了證書授与、受講生代表よりの謝辞、閉講の辞にて講座を終了した。
                                                  (広報部)