平成26年度地区吟道講座(近畿地区)

      平成26年度地区吟道講座(近畿地区)ルポ
                                              平成26年12月13日

 年の瀬の木枯らし吹きぬく一日に集い極める吟の道かな 12月13日(土)、公益社団法人日本詩吟学院認総本部主催による平成26年度「近畿地区吟道講座」が大阪国際交流センターにおいて、近畿地区認可各団体より974名の参加のもとに開催された。

 第一講は和歌。講師は我が兵庫中央岳風会副会長・渡辺岳蒔先生。
題材は、「勝元朝臣、短慮不成功と昌黎のつくりし言葉など消息のはしに書つけて、このこころばへをとひ給ひければ」太田道灌。講義は「道灌蓑を借るの図に題す」の少女と山吹の逸話より始まり、作者の紹介を経て、課題詩の素読へ。この歌は2句切れ。3句切れのものより数は少ないが、2句切れは五七調で素朴な感じを持っている。また最後は「体言」止めで、内容を力強く表現している。3句と4句の間は切らないで続けて。等々の注意を頂き、丁寧な実技指導が行われた。詞書に出てくる「細川勝元」より「応仁の乱」、また室町時代の「東山文化」や「北山文化」等の時代背景にも触れられ、講義は終了した。

 第二講は漢詩。講師は兵庫東播岳風会会長・田中岳逢先生。
題材は「送宇文六」常建。題の「うぶんろく」は続けて読む。転句の「即今」読みは「そくこん」であるが、吟ずる時は「そっこん」。最後の「離別の情」は「中山(ちゅうやま)」で。総本部では、絶句の吟詠時間を1分30秒±10秒と指導している。これを目標に、また2句3息を基本とすること。「吟道奥義抄」の内容からも紹介説明がなされ、「間」の置き方、「言葉」はしっかり、緩急を交えて、吟の姿勢の注意点、等のご指導を頂いた。

 第三講は律詩。講師はオホーツク岳風会会長・高橋岳鶯先生。
題材は「厳嶋」原 采蘋。素読において、7文字を2文字、2文字、3文字とリズムに乗って読むこと。吟ずる時、頷聯の「蜃気楼中に」は長いので少し早目に。実技指導の間には、江馬細香、梁川紅蘭と並ぶ女性漢詩人である作者の紹介、頸聯の「寸断九回腸」のいわれ、等々を時折ユーモアを交えながらの講義があった。受講生を3列に分けそれぞれ実技。人の吟を聞くのは非常に良いこと。

 第四講は和歌。講師は日本詩吟学院理事松田岳扇先生の予定であったが、体調不良により副理事長・𠮷岡岳東先生が代行された。
題材は「かれがれになる男の、おぼつかなくなどいひたるによめる」大弐三位。和歌であるのでやわらかく。七文字の読み方にも注意、「いなのささはら」は「の」で切らないこと。きれいな言葉をきれいなままに。序詠と本詠の間の「間」は2拍。「間」は大事である。流れがきれいになる。「読み」と「間」きれいな日本語の表現の仕方を追求して欲しい。

 第五講は紀行文。講師は前講に引き続き日本詩吟学院副理事長・𠮷岡岳東先生。
題材は『おくのほそ道』より「金沢」芭蕉。紀行文は読み主体でやわらかく。次の俳句につながりやすいように、○陽印の所から陽旋法に変わる。俳句に入る前は2拍の「間」を取ること。「塚も動け」の「も」は伸ばさない。「わが泣く声は」の「なくこえは」は続けること。𠮷岡先生が日頃から言われている「元々詩吟は口伝での教えであった。先生からの口移し、これに勝るものはない。」全員テキストを閉じ、口伝を実践。

 最後に主催者挨拶、修了證書授与、受講生代表よりの謝辞があり、閉講の辞をもって講座を終了した。
                                                   (広報部)